どうもKAKA’(@teamkaka10)です。

株価が割高か判断するにはたくさんの尺度があります。
株式の市場価値は、利益や配当、純資産などのファンダメンタルズや、GDPや資本の調達コストなどの指標と比較して測定できます。
これらの指標に対して株価の水準が過去の平均値を超えている場合は、株価が高すぎると評価される事が多くなります。
今日は、株価を評価する尺度の株価収益率(PER)について学びたいと思います。
株価収益率(PER)
最も基本的な尺度として株価収益率(PER)があり、企業の年間利益(純利益)に対する株価の比率を示します。
企業の現在の利益1ドルに対して、投資家が何ドルまで支払う意志があるのかを測る事ができます。
PERを左右する大きな要因は将来の利益成長に対する期待になるため、以下の2つの場合にPERは高くなります。
PERが高くなる場合 |
|
・利益の成長性が高い場合
・利益の安定性が高い場合
|
下記の図は過去12ヶ月の報告利益に基づいた米国株式市場全体のPERを示しています。

(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
図をみると、過去の平均PERは14.45となります(赤線のラインです)
PERと将来の利回り

PERは短期的な利回りを予測する時には間違った結果を導いてしまう恐れがありますが、長期的な予測を立てるときには役に立つ指標になります。
債券の現在の利回りは、購入価格に対する受取利息の割合になります。
債券の売却価格が償還価格に対して大幅なプレミアムもしくは、ディスカウントになるなら、現在の利回りは将来の利回りを知る上で役に立つ指標となり、同じ方法で株式益回りを求めることができます。
株式益回りとは1株当りの利益を株価で割った値になります(PERの逆数となります)
過去の米国平均PERは14.45であったため、株式益回りは14.45分の1で6.8%となります。
これは株式・債券等の実質トータルリターンを表した図です。

(画像ソースFigure 1. Total Returns on U.S. Stocks, Bonds, Bills, Gold and the Dollar, 1802–2013)
上記の図を見ると過去の株式の実質利回りが6.7%であったことから、さきほどの米国株式益回りと比較すると、株式益回りは14.45分の1となり6.8%、1802年から2011年の実質利回りが6.7%とほぼ一致する事がわかります。
株式益回りと実質利回りがほぼ一致 |
・株式益回り:6.8% |
・実質利回り:6.7% |
株式益回りから将来の実質利回りを予想するためには、景気循環などによる利益のばらつきを除外するため、過去の利益の平均値を使う必要があります。
過去5年間の平均PERと次の5年間の実質利回りの関係

(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
上の図は過去5年間の平均PERと次の5年間の実質利回りの関係を示しています。
重要な点は、PERとその後の利回りの間に重要な関連性が見える事です。
- PERが5倍を下回るとその後の5年間の利回りが非常に高い事。
- PERが30倍を超える場合の利回りは非常に低くなっています。
過去の平均利回りを使う事で、景気循環などによるバイアスはある程度排除する事ができますが、配当政策が変われば利益成長率が変わるため、平均益回りをそのまま比較する事ができなくなってしまいます。
配当性向の低下は、キャピタルゲインの増加をもたらす可能性がありますが、過去の平均利益を使って計算する場合は、将来の実質利回りを過小評価することに繋がります。
まとめ
株価収益率(PER)は、長期的な予測を立てる時に役に立つ判断材料である事がわかりました。
また、株価収益率(PER)と実質利回りに関連性がある事がわかりました。
【参考】
2018年7月の世界各国の実績PERです。
地域 |
実績PER |
全世界 |
17.5 |
米国 |
23.1 |
欧州 |
14.2 |
アジア パシフィック |
12.6 |
新興国 |
14.2 |
世界各国のPER・PBR・時価総額 (毎月更新) - myINDEX
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